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□notice
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「なぁ、八戒?」
「何でしょう。」
「やっぱり早くない?」
「うーん…?」
困ったように笑う八戒も変わりないな。
「ふと思えば早いんでしょうが…。僕にしてみれば今もあのときも大差ないもので。あまり変わった感じとかはしないんですよね。悟空も頻繁に来ますし。」
「猿ね…」
そう言われてみれば、旅が終わったからバラバラになった、って訳じゃないんだ。
毎日顔会わしてたりするわけか。そう考えるとそうだ。
あまり時間が開いた気はしないな。
「旅が終わったらバラバラになっちゃうのかと思いました。」
「…俺も…。」
「そうしたらしばらく会えないなぁ、とか心配だったんですよね。」
「よかった。」
「はい。」
なんとなくわかってきた。大切だったのは、旅をしてた日々じゃなくて。
こいつといる時間が大切で、確かに四人でいたときも大切なんだけど。
「悟浄、もういいじゃないですか。あなたすっきりした顔です。」
「んー?あ、そうね。いっか、どうでも。」
大切なのは昔じゃなくて、今から。なんだな。
end