□notice
2ページ/2ページ



「なぁ、八戒?」


「何でしょう。」


「やっぱり早くない?」


「うーん…?」


困ったように笑う八戒も変わりないな。


「ふと思えば早いんでしょうが…。僕にしてみれば今もあのときも大差ないもので。あまり変わった感じとかはしないんですよね。悟空も頻繁に来ますし。」


「猿ね…」


そう言われてみれば、旅が終わったからバラバラになった、って訳じゃないんだ。


毎日顔会わしてたりするわけか。そう考えるとそうだ。


あまり時間が開いた気はしないな。


「旅が終わったらバラバラになっちゃうのかと思いました。」


「…俺も…。」


「そうしたらしばらく会えないなぁ、とか心配だったんですよね。」


「よかった。」


「はい。」


なんとなくわかってきた。大切だったのは、旅をしてた日々じゃなくて。


こいつといる時間が大切で、確かに四人でいたときも大切なんだけど。


「悟浄、もういいじゃないですか。あなたすっきりした顔です。」


「んー?あ、そうね。いっか、どうでも。」


大切なのは昔じゃなくて、今から。なんだな。



end

前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ