ネウロ

□ストロベリーアイスよりも
1ページ/3ページ

俺の彼女は、よく食べる。
彼女が「もう食べられない」と言っているところを見たことがないし、このあいだ目を離した隙に一瞬でどんぶり一杯なくなってた時は戦慄した。
っていうかこうなると、もうよく食べるとかの次元じゃないよね!どうやったらその身体にあんだけ入るんだよ!?物理的におかしいじゃん!?

「匪口さん!アイス食べにいきません!?」
ホラ。また食べ物。デートはもっぱら食べ歩き。色気より食い気。俺としてはもうちょっと他の事にも興味もって欲しいんだけど。
「いいよ。ドコ?」
でもさ、やっぱ桂木が可愛いから食べ歩きデート許しちゃう。何だかなぁ。
「えっと、駅前に新しくできたアイス屋さん!そこはストロベリーアイスが美味しいらしいんで!」
あーあ、目ぇ輝かせちゃって。可愛いけど。
「じゃあ今から行こうか」
「はいっ!!」


「うわぁーー!!おいしそう!!」
アイスを目の前にして、桂木は目を輝かせながら叫んでる。多分、出来ることなら全部食べたいんだろうな。
「ストロベリーアイスだよね?桂木」
「はいッ!」
「ストロベリーふたつくださーい」
俺がアイスを二人分頼む横で、桂木は相変わらずアイスを眺めてる。食べ物ほんと好きだなぁ。
「はい、桂木」
「うわぁあ、アリガトウございます!!すっごくおいしそう!」
そう言うが早いか、桂木はアイスをもの凄い速さで食べていく。
いや、早っ。もう無いじゃん。
「早すぎるよ」
「ひ、匪口さんが遅いんじゃ……」
「ないと思う」
どもりながら言う桂木の主張を、俺は真っ向から否定した。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ