デスノート

□愛を語る嘘つき
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体をすり寄せてくるメロの頭を、出来るだけ優しく撫でてやる。
「うっとうしい」
なんて、言いながらも満更では無さそうなので、俺は撫でるのをやめない。

「メロって本当可愛いなぁ」
「嬉しくねえよ」
「ごめんごめん。俺が思ってるだけだから気にしないで」
にこっと笑ってやれば、メロはそっぽを向く。
分かりやすいね。
可愛い可愛い俺のメロ。
照れて真っ赤になった顔、俺に見せたく無いんでしょ。知ってる。
ベタ惚れのふりした俺は、メロに毎日「好き」と囁く。
「メロ、好きだよ、大好き」
返事は無いけど、俺はその姿を見ながら、微笑んだ。

さらり、と金色の髪に指を絡めながら、もう一度好き、と呟く。
「大好きだよ。メロが俺を好きじゃなくても、俺はずっと好き」
「勝手にしろ」
はいはい、分かってる。そんな事言ったって、俺のこと、大好きなんだろ。
本当に惚れてるのは、メロだよね。

頭良いくせに、単純なんだから。
本当、そんなところ、可愛くて好きだよ?
「メロ」
ぐいっと顎を持って俺のほうに向けたら、まだ頬に赤みが残っているメロは少しだけ抵抗して、それでも無理矢理唇を奪ったら、やっとおとなしくなった。
最初からおとなしくキスされとけばいいのに。

「……もうしねーぞ」
唇を離したあと、赤いままの頬でメロが言う。
それ、何回目の言葉だろうか。
「えー、俺したいのに」
って言っとけば、満足かな。

本当メロってば俺が大好きだねえ。
嫌いだとか言いながら、たまに俺のこと、じっと見てるデショ?
知ってるけど、気づかないふり。
嫌だ、って言いながら、俺がせがむの知ってるから、最後は必ずキスするよね。
何が「嫌い」なの?何が「いや」なの?
俺の事大好きじゃん。


うん、俺もメロの事、大好きだよ?

だって、可愛いじゃん。

でも、知ってる?
俺、「愛してる」って言った事無いんだ。
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