ネウロ

□女子高生探偵桂木弥子と俺のこと
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第一印象。
初めはただの女子高生。
どこか違うとも思ったけど、特に普通の子と違うとも思わなかった。
矛盾?いや、でも実際にそう思った。

ソイツが探偵なんてものをしていて、それだから俺と関わりがある程度で、他には何も特別なものは無かった。
本当に、最初は、それだけ。


実際会ってみたら、うん、まあ可愛い。
外見は結構好みだった。美しいって顔じゃ無いけど、整ってはいるし。
でも、そんな事どうでもよかったんだ。……最初はね。

そして、こいつは損をするタイプだな、と思った。
けれども、だからどうだとか、俺は言わない――言う必要も無い。



桂木弥子。
話は、会う前からとっくに聞いていた。
聞いたときからそれはあったように感じるけど、会ってみたら、やっぱり。――――俺とは反対だと、思ったんだ。
でも、なかなか面白そうだったから、軽い気持ちでとりあえず今度会ったら茶でもしよう、と誘っておいた。もちろん社交辞令もだいぶ含まれてる。
ホントに行きたかったのも、ほんのちょこっとあったけど。それは事件とか仕事とか、そんな話はヌキにして。


次に会ったのは、笹塚さんが入院してる病室で。
特に期待はしてなかったけど、少し聞いてみたくなって。それだけだった。
でも桂木の言葉を聞いてたら、興味が、少しずつ膨らむのを感じてた。
ふうん、事件に関わってきただけあるのかな。そんな事、思ってみたり。

「桂木さ、俺のこと苦手?」
帰る間際。近くで呟くように問いかければ、
「はぁ、そうですね多分?」
なんて困っているのかとぼけているのか分からない顔で返ってきた。正直だなコイツ、と思った。
「ふは、良いね。俺は桂木好きだよ」
くつくつ笑って、呆ける桂木に、バイバイ、と手を振った。


その後も、俺の事訪ねてきたり。
俺に会いに来てくれたの?嬉しいなー。て、まぁ事件のハナシについてだけど。
意外と、普通に嬉しかったりしたよ。多分もう、惹かれ始めていたんだから。


この後、俺は本当完璧にこいつに惚れちゃう事になるんだけど。
それは、まあ。

「匪口さんっ」
桂木が呼んでるから、これから先は止めておこう。

俺は思考を遮断して、桂木の元に向かった。
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