お題一

□寄せ集め的散文お題
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12:メッキの下で泣いている



「桂木ー」

私を呼ぶあなたは、いつもまぶしいほどの笑顔。私も笑顔になるくらいの、綺麗な笑顔。
だけど、だけどね?匪口さん。

「ん?どしたー?」
「ううんっ、何か用ですか?」
「別にー。桂木に会いたくなっただけ」
「え、」
「はは、桂木反応可愛いー」
「も、もう・・・ッなんでからかうんですか!」
「からかってないよ?ホントに会いたくなったから」
「そ、それがからかう、って・・・」
「・・・会いたくなったから会いに来た、ダメ・・・?」
「匪口、さん?」
スッ、と匪口さんの手が伸びてきて。
私は匪口さんの腕の中にいた。
「え・・・っ、ひぐ「ちょっとだけ」
その時の、あの一言。


ああこの人は泣いてるんだ、と思った。
メッキの下で泣いているんだ、って。
でも貴方は。

「ゴメンね桂木。可愛ーから抱きつきたくなっちゃった」

そんな事言うんですね。
誰にも分からせない様に。誰にも悟らせない様に。
綺麗に笑うんですね――。

私、にも。

「匪口さ、ん。ねぇ、笑ってる・・・?」
「え?・・・俺は、いつも笑ってるじゃん」
違う、よ。
“本当に”笑ってる?
けれど、そんな事、聞けるはずも無くて。
「う、うんっ!そうだよねッ」
「変な桂木」
そう言ってまた貴方は、笑ったけれど。


本当の貴方は、
・・・メッキの下で泣いている――。





* * *
うーん?なぁーんか違う、ような(汗)
とりあえず匪口さんは深い傷をあの笑顔で隠してると良い。とか思っちゃったのでかいてしまった・・(/ロ\)
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