お題一

□寄せ集め的散文お題
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06:この腕が無力な事なんて、とうの昔に知っていたのに



俺は無力だ。
全ての力の前で、君を守るには、
俺のこのたった二本の腕は、あまりにも無力。



君を、守れなかった。
何時だってそうだ、俺に力なんかない。


なのに笑うんだ、君は、優しく
「私が匪口さんを守るから、だから、大丈夫」
なんて、
俺は何も出来ない。






あの日君が傷ついて、なのに
「大丈夫。大丈夫だから、心配しないで」
そんな事、言うから。
あの日、思い知らされたのに、自分の無力さ。俺は君を守ってあげる事ができない、守ってもらう事しかできないなんて、すごく、――虚しい。



だから、?

それでも、?

俺は君を守ってあげたくて。
なあ、桂木。俺は君が傷つくのを、これ以上見たくなんてなかったんだ。君の痛みを、俺が受け止めたくて、でもそう、分かっていたこと。


この腕が無力な事なんて、とうの昔に知っていたのに






また、君を守れなかった。
自分の無力さ、

なんて残酷。





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