お題一

□ひぐち結也
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俺を現実世界で認識しない、“あれ”は親ではなかった。

ただ機能の維持のために、食べて排泄して寝る。それをくり返す人形だった。あの人達の意思は、この電子の箱の中にあった。

俺と話す親は、この中に居た。



(父よ、母よ、死にたもう事なかれ。)


まだ、あなた達は息をしている。





* * *

120820
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