お題一
□ひぐち結也
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「ねえ、桂木も、俺がいらない?」
だってあのひとたちの目は、俺を見てなんかいなかった。
現実世界の俺は、いらないものだったんだ。
桂木は言った。
確かな強い声で、言った。
「ううん、私には匪口さんが必要だよ」
(やがて、この愛に飢えた心はあなたを見つけるだろう。)
そうしてようやっと、この心は救われた。
* * *
121031
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