ヤンキー君とメガネちゃん

□誰と過ごしたい?
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「「足立、G・W、空いてるか!?」」

「ん?」
「あ゛?」
花の前には、品川と和泉。
ほとんど同時に発言したのは、これから始まる、連休についてのこと。

「え・・・一応、予定は無いですが」
花がきょとり、としながらそう言った次の瞬間に、
「足立さん、ゴールデンウィーク、空いてるの?」
「花さん、空いてるんですか?」
千葉と姫路が割り込んだ。
「ちょ、なんだてめえら!」
品川がそう叫ぶと。
「一緒に過ごせないかなあ、と思って」
「花さんと一緒に過ごしたいだろ!」
千葉と姫路が、同じような返事をする。

「つーか千葉テメェ!!マコトはどうしたンだよ!?」
「マコトさん、家族で旅行だって」
残念そうに、千葉が呟く。
「ほお、マコトがいなくなった瞬間、足立と過ごそうなんざ、ムシがよすぎんじゃねーのか?」
怒りを抑えきれない様子で、和泉が千葉に掴みかかった。

「い、いや・・・そ、そういうわけじゃ、」
千葉がしどろもどろに口を動かしていると。
「まあ、結局足立先輩と過ごすのは、俺ですが」
「って香川何時の間に!?」
にょき、と五人の背後に、突然香川の姿。
良く見れば、その後ろには、北見もアンナも居た。
「つーかなんで香川なんだよ。俺らだって一緒に・・・」
「そうそう!」
どうやら、二人の言葉から察するに、北見やアンナも、花と過ごしたいようだ。

「お前らまで何なんだ!?何でいきなり足立誘いにくんだよっ!」
「な、なんでって楽しそう、っつーか」
「一緒に遊びたい、じゃダメなの?」
むす、と頬を膨らませるアンナに、
「お前らは二人で過ごせばいいだろう」
と、香川。
「はっ!?な、なんで、」
(それも、嬉しいけど・・・!)
「なんでアンナが北見と過ごさなきゃなんないの〜?」
一瞬、顔を赤くした北見が、すぐに青くなる。ばっさりと切り捨てられた北見は、その場で落ち込み、負のオーラを出していた。

「というか、僕を忘れてもらっては困るのですが」
「つーか、お前ら姉ちゃんに近すぎ。殺すよ?」
「鈴鹿っ!?と、葉ォ!??」
何でいるんだよ、とツッコミが入る前に、二人は口を開いた。
「これだけ騒いでいれば、いやでも耳に入ります。し、足立先輩をお誘いするのに、参加しないわけにはいかないでしょう」
鈴鹿はにやりと笑う。
「おれは、勘。姉ちゃんが危ないと思ったから、来た」
(・・・!恐るべし、シスコンッ)
誰も口には出さなかったが、皆の心がひとつになったという。

集まった人数に、品川が頭を抱えてため息をついた。
「はー・・・もう、これはアレだな。足立に決めてもらおうぜ?それでいいだろ」
品川の言葉に、皆賛成して、花の方へ向いた。

「足立、誰と過ごしたい?」
「・・・」
長い沈黙の時間。
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