BOYZ LOVE
□支配されないものもの 後編
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カカシにはお気に入りの場所がある。用もなしに立ち寄っては、そのままそこで寝る。このパターンはいつも変わらない。
ここで一つ補足だが、上忍がそんなそこらで深い眠りに就くことなどない。
決してその気はなかったと言えば嘘になる。あの日、俺はあの“目つきの悪い下忍”を持って帰ろうとしていた。憎たらしい目付きで俺を見上げて狼狽えている鹿を見ていたら、無性に苛めたくなったのだ。
しかし確かな理由はなかった。男女の関係ではもちろんなく、というかなれず。師弟愛ではなく、というか師弟ではなく。
男と男の、仲間以上の関係。分かりやすく言うならば、ボーイズラブである。
自分にそんな趣味はない。自慢ではないが、自分はモテるし、女に不自由したことなどない。柔らかい体が好きだ。堅い体にわざわざ突っ込むこともない。
そんなことを考えていたらなぜかムシャクシャして、大人気ない気もしたが俺は鹿を殴る蹴るしてその場から去った。
帰り道はいつもより寒い気がしてならなかった。
「オレもっとこうスゲェー任務がやりたいってばよォ!!」
金髪の部下がDランク任務を言い渡されていつものようにゴネはじめた。
やめてよ。
「めんどくせぇ」
無意識に出た言葉だった。
「先生シカマルみたい」
サクラが笑いながら言った。
あ、そういうことか。