BOYZ LOVE
□靴ひも
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「今日の任務な……」
悪かったと思ってる。
「カカシー?」
遅いって言われるのも。
「おーい!」
ちゃんと分かってる。
タイトル:靴ひも
「俺疲れてんのね」
はたけカカシ。『写輪眼のカカシ』という異名を持つ彼は、それを使うことで体に大きな反動を伴っていた。実際、この時男はろくに立つこともできずにいた。
「あ……ごめん」
ベッドの傍らに座って、ひたすらカカシに話し掛けていたシカマルは、カカシに冷たくあしらわれ一瞬顔を顰めてからニィと笑うと、ちっとも悲しい顔はせず、諦めたように立ち上がった。
「オレそろそろ帰るな」
日はとっくに沈んでいた。
「ああ」
カカシは短く返答すると、頭まで布団を被り、もう寝ると無言で伝えた。
男はとても無愛想だった。しかしそれでいて人が好きで、温もりを欲していた。
ただそれが誰にも伝えられないだけで。
「カカシ……」
直ぐ様寝たふりをしたカカシに気づいているのかいないのか。シカマルはゆっくり布団を捲ると、銀色にそっと口付けた。
「おやすみ」