めんどうくさいけど
□ラブストラック
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「好きな女のタイプはー?」
前に興味があって聞いたことがある。
「そうだなぁ。金髪で目が青くて、元気な子かな」
ナルトのおいろけの術後が頭に浮かんだ。なんとなく、悔しい気がした。
だから、よく覚えていたのかもしれない。
ボフン!
「あのカカシさん!」
「えっ……どちらさま?」
別れる前、事後検査に行くと言っていた今日――綱手様に行けと言われたらしい――オレは病院帰りのカカシの前に現れた。
「初めまして!コテラって言います」
「どうも……」
―――コテラというカカシ好みの女に姿を変えて。
変化は、ボロさえ出なければ絶対にバレない自信があった。
「っで何で付いてくるわけ?」
「付き合ってください」
「……おじさん、おふざけは嫌いだなぁ」
女でだっていい。
「ふざけてないし!それにアンタまだ30じゃない!」
それでも、カカシといたい。
「怒るよ?」
「えっえ、ちょ……」
「うーそ。ま、上がりなさいよ」
久しぶりのカカシの家は以前と幾らも変わっていなかった。
それは嬉しくもあり、なんだか悲しいことでもあった。なぜなら、自分がいなくてもカカシの生活に一切差し障りない、ということを証明してしまうから。
オレのごり押しで、なんとなくではあるが、オレたちは付き合うことになった。それはオレの望むべくして望んだ未来だった。
しかし何だろう、この虚無感は。どうしてカカシのことになると、オレはこうなんだろう。