長めのはなし

□そしてずっと好きでいて
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…………





「お前は馬鹿かっ!!」




「………。」





あれから球技大会に戻るわけにもいかず、とりあえず幸村をトイレに非難させてから制服とカバンを佐助に持ってこさせると、そのまま球技大会をサボり、パンツを買い、そして公衆トイレでやっと履き替えて、全てを終えたあとに

幸村の説教が始まった。




「なんであのような所でそういう事になるのだ!破廉恥にも程があるぞ佐助!」



「だぁって!そもそも旦那が皆に裸見せるから悪いんじゃない!俺様超嫌だった!」




「何を言うか!あれは事故だろう!

それなら言うけどな!お主だって裸を晒していたし、女子に笑顔ふりまくし!ウィンクはするし!あろう事か投げきっすまでしたであろう!!
おぬしは女子に優しすぎなのだ!某がどんな思いで………!」




あまりの剣幕に驚く佐助を尻目に、全てを感情にまかせていた幸村だったが


途中でピタッと言葉を止めた。




「旦那…?」



いきなり何も言わなくなった幸村を不振に思って顔を覗いてみると




「だ、旦那!」



そこには大きなつぶらな目から大粒の涙をポロポロとこぼして唇を噛む幸村の姿があった。





「だ…だって、佐助はっ…かっこいいしっ、いっぱい女子にモテるしっ…、でも某は!顔も凛々しくはないし女子にも男子にもからかわれてばかりでっ…良いところなぞ一つもないっ…!だから、不安で不安でたまらなくて…!すぐ佐助に捨てられてしまうんじゃないかって…んんっ…!」




全てを言い終わらないうちにその幸村の唇を佐助は少し強引に奪った。



「ふぅ…んっん…ぷは…」



2人の舌と舌を名残惜しむかのように銀糸が繋ぐ。






「…旦那。旦那は俺様にとって今一番愛しくて、一番可愛いたった一人のひとなんだよ?だから俺は旦那しか見えないし、いらない。旦那がいないと生きていけない。
そんな人を捨てられるわけないじゃない。そんな事思わないでよ。


…世界で一番愛してるんだから。」





「しゃ…しゃしゅけぇえ…」



ちょっと言うこと臭すぎたかなぁ、なんてちょっと赤くなってしまう俺様の顔。(なさけねぇ)
でも旦那はこんな俺の言葉に更に涙を零している。



「ほらもう泣かないの!ね?」





泣きじゃくる幸村を優しく抱き締めて、頭をよしよしと撫でる大きな手は



とても温かくて優しいものだった。








「…あんまし女子には優しくするな。」


「…努力します。」




「…破廉恥な行為は少し自重しろ。」




「………ど、努力します。したくないけど…ブッ!…嘘です。」






「…某を一生愛せるか?」




「…誓いますっ。」





そして2人は目を閉じて




優しい誓いのキスをした。





つづく

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