幕恋載

□二話
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『…う、』

うーん、なんか頭が痛い…私って頭なんて打った?…いやいやそんな記憶はない。
でも、確か頭を打つ以外のなにかが起こったような。それを考えようとすると更にピリッとチリッと頭痛が走る。
それに、どうも今の状態は背後から風が突き抜けるような衝撃に違和感しか感じられず、さっきから目が開けられない。
聞こえてくる音は風の切る音以外はなにも聞こえなくて…やっぱりちゃんと確認したい気持ちが高まる。それが出来ないのは何故だろう。
…本当は分かってるけど、目は開けることが出来ない。
そうこうしていると、だんだん人の声が聞こえてきた。もし、ここがさっきの場所なら人がいるなんて有り得ない。だったら…ここはきっとどこか違う場所なんだ。
一体…私はどこに?
目を、開けてみよう。しっかり確認しないと…!

『……』

暗闇が、明るくなる。私の目には…空が映る。

…空?私、落ちてる?

『…っ、ひゃぁぁぁあぁああ!!!』

ドサッ
 
気付いた時には地上が近付いていて、このままでは死ぬと思った私は気絶した…地面に叩き付けられると予想して。
だけど、私の予想は外れ、実際は誰かの腕に助けられていたらしい。
気絶する前に見た顔…あれは、誰だったのか。胸チラだったような、そんな記憶しか甦らないけど…

次、起きた時にお礼を言っておこう。



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