灰色のキス
□03
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僕が見ても、その彼女はずっと僕をみてるわけで
ちょっと可愛いな、なんて思ったりしたけど。別に何もしないし。
僕にはカンケーない。
適当に僕も笑っておこう
・・・としたら、彼女はいきなり驚いたような顔になったかと思うと、
顔を背けてしまった。
んー・・・よくわからないんですけど;
「アレン、お前の知り合いか?」
“今めっちゃ顔背けたけど?”
ラビは僕の肩に腕を乗っけて寄りかかる。
いや・・・知らないですよ、あんな人。
少なくとも、始めて見た顔なのに・・・なんか普通にショックだった。
「全然知りませんよ・・・・;」
まだ顔を背ける彼女を見つめたが・・・話しかけるほどのことでもない。
この町には変な人がいるんだなあ・・・。
「おっ、あのテーブル、あの子と男も座ってるぜ?・・・・寝てるみたいだけど」
ラビはまだ見てたんですか。
もういいじゃないですかっ、こんな寒い所に突っ立ってるのもなんですし・・・。
僕は相変わらずそっぽを向いていた。
「おっ、男が起きた!」
「そうですか。じゃあもう行きましょう、ラビ」
僕は先に歩き出した。
ラビもついてくるが、見えなくなるまでテラスの二人のことを見ていた・・・。
はあ・・・ったく。知らない人をずっと見るのは失礼なんですけど、ね。
ラビに言っても聞きかないだろう。
とりあえず、今の道を通り過ぎ、中央公園みたいな所に出てきた。
ここもまた、走り回る子供や、大人の楽しそうな笑い声、賑やかな店が立ち並んでいた。
「そういえば、さっきの女の子と一緒にいた男はずいぶん年が離れてたさ〜」
「・・・・まだその話ですか?」
僕はため息を吐いた。
ラビはあの女の子のことを気にしているようだが・・・・、彼女はただの一般人。
それともー・・・・
「なんでそんなちょっとした事に気を止めてるんですか?」
「だって、さっきの女の子・・・・・
めっちゃ可愛かったさあっVvv」
な・る・ほ・ど
「まあ、たしかに可愛かったですけど?」
それは否めない。確かに可愛かった。・・・でも、僕の中ではそれだけ。
可愛い子なんて町の中にはゴロゴロいるだろう。
それに一々反応するラビはすごい。ある意味男ですよ・・・。
「いやっ!アレンは分かってないさ!」
「何を」
「あの可愛さはっ、MAXさあ!意味分かるか!?」
ラビは僕の肩を掴み、グラグラと揺すった。
そりゃもう、目が回るぐらいに、ね・・・・。(怒
そんなに興奮しなくてもいいじゃないですか;
「ラ、ラビ・・・っちょっと、待っ・・」
グラグラ
「町歩いてみたけどっ!あの子が一番可愛かったさあ!!」
グラグラ・・・
「ラ、・・・・っちょ・・・っ」
「一緒に居たのは絶対お父さんさあっ!くっそ〜〜っ、声かけらんねえさ〜っ」
グラグラ
「うっぷ・・・・っ;ラビ・・・・分かりましたkら止め‘+>*;・@:」
そろそろヤバい。
興奮してるラビに何言っても気付いてくれない・・・。
あぁ気持ちワル・・・・っ。
ラビの馬鹿野郎・・・!絶対っ、脳震盪だ・・・・脳震盪・・・。
そのとき、僕の視界は真っ暗になった。
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