BLACK SLEEP
□調理実習
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「〜〜〜〜♪」
隻い髪が紅い飛沫にさらされ、さらなる赤に染まっていく。
赤の悪魔は軽快なメロディーを口ずさみながら、出刃包丁を頭上に振り上げる。
―――――ズタンッ。
また新たに飛沫が飛び散り、そこら中に降り注いだ。
「〜〜〜〜〜〜♪」
既に意識の無いソレを見下ろしながら、赤の悪魔は笑みを浮かべた。
幼い笑み。
床には、ソレの指先が全部で九本、散らばっている。
「ラストぉ〜〜♪」
―――――ズタンッ。
指が宙を舞った。
赤の悪魔は声を出して笑った。
愉しいな、愉しいな。
―――――ズタンッ。
指を全て失った手首が舞う。
愉しいな、愉しいな。
暗闇の中、淀んだ瞳に鈍い光が横切る。
悪いのはキミ。
こんなにもボクをそそらせる、キミ。
だってゾクゾクするんだ。