BLACK SLEEP
□星に願いを
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そう、僕は気づいてしまった。
「刹那」
僕という存在の、結末に―――。
「―――星、見にいこっか」
「…………?ああ」
『星に願いを』
時計は10時をまわったところ。
アレルヤは展望デッキに、刹那を前に抱えるような格好で漂っていた。
ガラスの向こうには、真空の世界。
漆黒の中に幾数もの星たちが、張り合う事もなく輝いている。
「――――アレルヤ」
「ん?」
視線はガラスの向こうにやったまま、腕の中の愛しい恋人に返事をする。
「なんでいきなり、星を見ようなんて言い出したんだ?」
必死に首だけを捻り、アレルヤを見上げてくる刹那が可愛い。
アレルヤは刹那の髪に唇を落とした。
くすぐったそうに、刹那が目を閉じる。
「―――アレルヤ」
「理由なんて、ないよ」