RED SLEEP
□返事のいらない手紙
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ブックマン。
何事にもとらわれず、傍観者として裏歴史を記録するもの。
今回俺は、ラビという名前で、教団側のエクソシストとして戦うことになった。
目的は、教団とアクマの戦争を記録すること。
俺は『仕事』をするために、教団に来た。
それは、決して世界の平和のためとか、教団勝利のためなんかじゃなくて。
これはあくまで『仕事』の一貫。
今回は教団側のエクソシスト。
とりあえず、いつも通りヘラッとして、仲間面して、記録し終えたら、何事もなかったように去る。
それだけ。
―――だけど、俺はそこで君に出逢った。
「…………神田ユウだ」
「へぇ♪よろしくなぁ、ユウ―――」
「ユウって呼ぶな!!!」
綺麗な人だった。
始めは女のコかと思ったけど、胸が究極に平らだったから、あぁ、男なんだぁと気づいた。
ちょっと残念な気がしたけど、俺はノーマルだったし、彼を紙面上の『ラビ』の『ナカマ』以上に意識することはなかった。
「俺はラ―――」
「ブックマンJr.だろ」
「うん。そうだけど、ラビって呼んでよ」
………だけど、教団で過ごす日が積み重ねられていって、どんどん君のことを知っていく内に、俺はいつしか君を目で追いかけるようになっていた。