贈り物

□『映画館へ行こう』
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「…すいません、10代目、せっかくの日曜日に付き合わせてしまって」

「気にしないでいーよ、今日までなんでしょ?その映画?」

「ええ、姉貴がリボーンさんと見に行くはずだったんですが、リボーンさんがどうしても予定付かないらしくて」

…逃げたな、とツナは思う。何てったってタイトルが
『愛と死と絶望の淵、料理対決〜愛の為に食べれますか?〜』

…こんなのオレだって興味ないけど、あんまり獄寺くんが情けない顔でオレを誘うから、つい可愛くって、

「タダで見られるんだもん。得した気分だよ」
…君と一緒に居られるなら、これは最高のプレゼントだよね。



 ◇ ◇ ◇



開演15分で眠気が襲う。いやいや、誘ったのは俺なんだから此処で寝る訳にはいかないっ!
隣を見ると10代目は割と真剣に見てるご様子。そうだ!10代目に集中すればいい!
横目で盗み見る俺、10代目は今日もシャツとジーンズというラフな服装で、…実は俺は10代目のシャツ姿が大好きだったりするのだが。袖口とか首筋とか、華奢で白い肌が見え隠れして俺を誘うし、今は特にスクリーンから洩れる淡いライトが、その身体をぼんやりと照らして、幻想的…。
(また、そのボタンを外していきたいってゆーか…)
薄手の白いシャツは体のラインまでを浮かび上がらせるし…
━…っっ!!見え隠れどころじゃない!暗い映画館で、隣には好きな人、何で眠くなってたんだ!? 俺!!

獄寺の妄想は果てしなく続いていった━…



 ◇ ◇ ◇



「割と面白かったよね?ホラあそこ、『私と料理とどっちを食べるの』って、脅迫めいた主人公の顔のアップ!オレもう怖くてイッちゃうかと思ったよ!」

「…はあ、俺はイッてしまいました…」

「どしたの?獄寺くん、何だか疲れてるみたい」

「お気になさらず…それよか10代目、映画館に行くときにはもう少し厚手の服を着てきてください」

「?」

…映画館デートはお互い刺激的だったようである。



━━━━━━━



*何故私が書くとツナは鈍感なんでしょうね(^_^;)

相互ありがとうございました!
 

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