贈り物

□『蜂蜜ダイナマイト』
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(…どうして、こうなっちゃったのかな…)

途切れるように、微かな、喘ぐ声が聞こえる。

「はぁ、ダ、メ」



 † † †



今日は学校で球技大会があって、山本や獄寺くんの活躍で(獄寺くん、山本に張り合うように頑張ったんだ)2−Aは見事優勝。
さっきまで教室で打ち上げをしてた。

そしたら。

誰かが持ち込んだアルコール、ほぼ獄寺くんが飲んじゃったんだよ!!

そんなに弱かったかなって思ったら、足元には空の缶がゴロゴロ…!!
(そりゃー酔うでしょーっ!?)
がーんっとなる。いくら何でも飲み過ぎっ!!

「ツナぁ、悪りィ、俺ら証拠隠滅してくるから、獄寺頼めるかぁ」
山本は空き缶をガラガラ集めて、他にも酔い潰れてる男子を背負う。

じゅ〜らいめじゃないと、動かね〜ぞ〜、なんて言ってる獄寺くん。…仕方ないなぁ。

「ほら、立って?酔い覚まさないと帰れないよ?」

彼に肩を貸して、よいしょっと持ち上げる。

(とりあえず、保健室かな?)
放課後だし、シャマルならなんとかなるだろう。他の先生に見つからなければ。

肩を貸すオレに寄りかかって、じっとこっちを見る獄寺くん。
「?…何?」

「いやぁ、じゅーらいめ…可愛いっス」

あはは、ダメだこりゃ。






「シャマル、いる?」
ガラッとドアを開けて声を掛ける。保健室はもぬけの殻だ。いないならいないで都合いいけど。

「ほらぁ、獄寺くん、ベッド借りなよ。少し休んで━…どわっ!?」
グイッと引っ張られて、オレまでベッドにもつれ込んだ。勢いで下に押し倒されて。

「!?獄━…んっ」

そのままキスされた。えええっ!??



 † † †



「かぁぁわいっスねぇ、じゅーらいめ、は」

酔ってる酔ってるってば!獄寺くん!!

「ぎゃー!離せってばっ!」

首筋に顔を埋めてくんくんっと匂いをかぐ。
(犬かーっっ!!)

「だから、離してっ!!」
ジタバタもがくが体格差負けでどーしようもない。

「じゅーらいめはぁ、今日ぉ、何回『山本がんばるぇ』って言ったか…覚えてます?」

「は?何??」
ジャージの下からゴソゴソと忍び込む手に、背中がぞくりとする。

「━…あっ!」

「6回、れす。6回、名前読んれ、ました」

「〜〜それが?」
まだ、もがく。手!手がっ…!

「俺は、4回、れす」

「??だから!?」

「もっと、俺の名前も、読んれ、くらさ…?」

口付けが降る、乱暴に。
(━━…っ!?)

「…んっ!やぁ、獄寺く、んっ!」
手で押し返すけど、びくともしない。

「…はい」

「獄…寺く」
芳香が立ち上る。
キスを通して、香りに酔って。
頭、クラクラ。

「はい」

「…隼、人」

「…は、い」

絡め合う指と指の、その先に見えるのは━…


吐息、甘い、蜜の味。


「━…閉じ込めて、もう誰にも見せたくない」




 

━━━



リクは「酔った獄寺がツナに迫る的な獄ツナ」でした♪
最初ギャグ落ちだったんですが甘希望ということで"(ノ><)ノ甘くなってますかぁぁ

相互ありがとうございましたo(^-^)o!


 

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