短編小説A

□『接吻ラヴァーズ』
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9月9日は獄寺くんの誕生日だ。オレはもう大分前からあげるものに悩んでいて。

「う〜ん、どうしようプレゼント…」
部屋の中でも一人でブツブツ言ってしまう。

「そんなに悩むなら、獄寺にでも聞きゃあいーじゃねーか」
リボーンはそう言うけど。

「聞いたよ!ホントは自分で決めて選んで驚かしたかったけど…あんまり悩むもんだから!」
アクセサリーも服も、オレの小遣いじゃ獄寺くんが身に着けるには安っぽいものになっちゃうし。
(まぁ、こーゆーのは値段じゃなくて気持ちが大事だってわかってはいるんだけど、さ?)
それでもやっぱり喜んでもらいたい。

「獄寺はなんだって?」

「…『その気持ちだけで十分です』だって。オレと、誕生日を一緒に過ごせればそれが最高のプレゼントだ、って」
オレは困ってしまった。
おもいっきり笑顔でそう言われてしまったから。

「なんで困るんだ?だったらそれでいーじゃねーか」

「だってそれって、『オレ』が嬉しいだけだもの。獄寺くんの誕生日に、オレが嬉しいプレゼントってどう思う!?」
真剣に悩んでいるのにそんなアッサリと!他人事だと思ってぇえっ。

「来月はお前の誕生日だな」
不意にリボーンがそう言った。

「? う、うん。そーだけど?」

「お前は獄寺から何が欲しいんだ?」

「えぇ!? そ、そんなの、獄寺くんがくれるもならなんだっていーんだけど、一緒に祝ってくれたらそれだけで嬉しいし……あ」

「…だろ?悩むだけ無駄だ。いーからただ祝ってやれ」
呆れたように呟かれた。

(ただ祝ってやれ、か)
う〜ん…


 ◇ ◇ ◇


翌日学校で、休み時間の階段の踊り場。

「獄寺くん、誕生日おめでとう! あの、ね?プレゼント…悩んだんだけど、君がそれでいいって言うなら、後でケーキ焼いたの持って君の家行くから、一緒にお祝い…させて?」

「あああありがとうございますっ!恐縮です…!」
へいこら!っと嬉しそうに微笑まれた。その顔にふと愛しさがわく。

(オレと一緒に過ごすことが最高のプレゼントだと言ってくれた君。
そんな君が生まれてくれて、今はオレの傍に居てくれる…『今日』という日がとてもとても愛おしくて)

…この気持ちが、少しでも伝わればいい。

じっ、と見る。

「あとね?えっと…階段ちょっと降りて?」

「え?こうっスか?」
何が何だか分からないながらも一段降りた獄寺くんに、オレはちょっと深呼吸して。

「…眼を、閉じてね?」
「…え?」

そう言って、眼を閉じた獄寺くんに触れるようにキスを落としたんだ。

(気付く、かな?)
オレからの、初めてのキスだって。

そっと、離す。

「〜〜っっ!あぁあ緊張した!ドキドキした…って、わぁあ!?獄寺くん!???」

驚いて見開いた君の瞳が大きく揺らいで。

「…//へ、わ、うわぁ!??」
グラァ、っと揺らいだかと思ったら大きく傾いで、獄寺くんは揉んどりうって階段をズダダダダァンッ!!っと転げ落ちてしまった。

「あだーッ!、たーっ、たー…、」

「だだ、大丈夫!?獄寺くん…っ」
オレは急いで駆け付けて、下の踊り場に倒れた彼を覗き込む。

「あは、あはははは、大丈夫っス!もう、可愛らしいです10代目ぇ」
幸せです〜、なんて呟きながら。ふやけた顔で仰向けで、大の字になって。

「…っんもう!!君が照れたらオレが照れてらんないじゃない!!」
嬉しそうに笑う君をホッとして見つめてそして、

二人して黙ってしまった。

沈黙、少しだけ。
吸い込まれそうに深いエメラルドの瞳━━…

「……そしたら…そしたら、泊まってってもいい…かな?」

「…はい」

そうして、

獄寺くんの右手が覗き込んだオレの頭に回ったと思ったら、見つめられたままそっと引き寄せられて。

(━…あ)

唇、重ねて、もう深く。



“恋人のキスを、交わそう?”



━━━


獄っくん、お誕生日おめでとうございます!!

キスだけで済むはずないじゃないですかぁ"(ノ><)ノ
きゃ〜//!ツナくん逃げて!今の獄は狼です(笑)
 
あわわ//続き妄想が(^_^;)
 

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