短編小説A
□『午睡』
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(……ミノムシ?)
草壁は息を呑んだ。
◇ ◇ ◇
ヒヤリと空気が動いた気がして、ふとオレは目を覚ました。
(ん…寒い)
もぞもぞと動いて毛布をかぶり直す。裸の胸に暖かい温もりを感じて、もっと暖を取ろうと擦り寄る。
(…あったかーい…)
頬をすりすりして、腕と足をその暖かい物に回すと、不意にテノールの声が降った。
「…くすぐったいよ」
ん?
ぱちっと目を開けると顔前に裸の胸が見えた。
「…ヒバリさん!?」
(げ!)
微睡みから覚醒して一瞬驚いてガバッと起き上がる。
「━…っ痛〜てててι」
途端感じる鈍痛。
(そうだ、ここ…応接室)
「…ヒバリさんのせいで午後の授業サボっちゃったじゃないですかー…」
うー、と唸りながら再びポスンっと皮貼りのソファーに横になる。
気だるい身体は気持ち良く沈んだ。
最近寒くなってきたからムートンのカバーなんか付いちゃって(だ、誰の?)
ヒバリさんは寝心地が良いのか腕枕なんかしててご機嫌。
「僕のせいかい?君が最初に誘ったと思ったんだけど」
クスクス笑い。う、可愛いι
『ヒバリさんの卵焼き、美味しそうですよね』
『…食べたいの?』
『わぁ、くれるんですか?』
『━……』
「━…あれはっ、誘ったとはいいませんっ//!!」
「だって、あんまり無防備に口開けるから」
真っ赤になって怒鳴る綱吉にクスクス笑う雲雀。
(もぅ!!この人わッ//!!)
今ごろは昼飯から戻らない自分を心配して、獄寺くんや山本が教室でそわそわしてるに違いない。
いや、もしかしたらサボって探し回ってるかも!?
う〜ん、あり得る…ι
(だけど今はもう少しだけこの温もりの中に浸っていたい…)
ゴソッと潜り込む綱吉に雲雀が満足そうに微笑んだ。
「…行かないんだ?」
「…気持ちいーから、もう少し居ます」
プゥ、っと頬を膨らませて。
はた☆、と気付く。
「そういえば…毛布、ヒバリさんが掛けてくれたんですか?」
さっきまでなかった毛布、肌に心地よくて…
「まさか、草壁でしょ? 風邪引かないように」
ふぁあ、って欠伸してヒバリさんも潜り込む。
「なーんだ、そうか。草壁さんが…草壁さんがって、Σはぁあ!??」
草壁さんが!?
ヒバリさんとオレが…の後ソファーで寝ちゃってその上に!?
◇○▲☆●△※ッッ!!!
がーんッッ!!
眼がチカチカしてパニックに陥ってるオレに、ヒバリさんは事もなげに呟いた。
「いい仕事、してるよね」
━…っ、ばかぁぁあッッッ!!
━━━
大丈夫ムートンに二人してミノムシになってたから見られてないよ(笑)
雲雀さんを起こさないよう気を配る事が出来るからこそ、風紀No.2の地位は不動だと思います(^_^;)(笑)