短編小説@
□『目眩』
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「…10代目…?」
職員室に呼ばれた俺を、じゃあ教室で待ってるね?なんて優しい心遣いを見せて下さるから、俺は呼び出した先公に睨みを効かせながら早く10代目の待つ教室へ帰りたくてウズウズしていた。
話が終わって(くだらねー用で呼びつけてんじゃねーよ!!)駆け付けてみれば10代目は机に突っ伏して夢の中。
…疲れていらしたのにお待たせして申し訳ありません!って、起こさないように何度も土下座する。
(…でも間近で見れるこんなチャンス、滅多にない…)
山本バカは部活、朱に染まった教室に二人きり。獄寺は前の席の椅子を引いて腰かけた。
(…髪、触ってもいいですか?)
茶色くフワフワした髪…人差し指で柔らかくしなるそれを透いて、絡める。右手を滑らせ頬をなぞり、親指で薄く開いた唇をなぜて…それだけなのに━…
「…俺、ヤバイっす、10代目」
カタンっと軽く音を立てて席を立った。
遠ざかる足音。
「………ヤバイって、何がι…?」///
ツナは少し頬が熱い気がして、でもその意味に気付くことなく揺れる感覚に首をかしげた。
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*…どこまで鈍感なんですかね(^_^;)ι