短編小説@
□タイトル未定ですが…
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「…月が綺麗だ」
夜空を切り取るナイフのような下弦の月。
魔性の生き物が動き出す刻。
「スクアーロ、出掛ける」
バサッっと漆黒のマントを翻し、窓辺へ向かう。
「ゔぉ゙ぉいっ!?前見ろっ!?」
「きゃん!」
どんがらがっしゃん!!
磨かれた黒檀のようなテーブルにつまづいてひっくり返る。
「…遅かったかぁι」
痛ててててιと膝を擦ってる主人をスクアーロは溜め息をついて見下ろした。
† † †
「…だぁから、歩く時は前を見ろってい゙ってんだぁ」
膝をパックリ割って流血してる主を情けないように思いながら手当てする。
「悪かったね、鈍臭くてさ」
薬がしみないかヒヤヒヤしながら綱吉は答える。
「全く、吸血鬼が血ィ出してるなんざ、お笑い草だぜぇ?」
薬をたっぷりガーゼに染み込ませてぼやく。
「別にほっといたってすぐ治るんだから、そのままでいいのに…」
ぶちぶちぼやく綱吉に、
ほほう、そう来るか。人が親切で手当てしてやってりゃよぉ゙?
ピキッと口許をひきつらせて薬とガーゼをポイポイっと捨てる。
「?━…何」
言い終わるか終わらないかの内に、傷口を舌で舐める。
「///っ!!!〜〜〜卑怯!スク」
へんっどうとでもいいやがれ!
すっかり傷口のふさがった主君がスタスタと再び窓辺に近付きながら振り返る。
「ねぇ、…怪我したの、ワザとって言ったらどう思う?」
細い月の光を浴びながらフワリと妖しく微笑み、綱吉は姿を消した。
散乱した室内には一人残されたスクアーロ。
「…あんガキゃあι」
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これ続きありそうですねo(^-^)o♪