短編小説A
□『天使も夢見る』
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覚悟を決めたようにツナも言葉をつむぐ。
恥じらうように獄寺の視線から逃げて。
(だって、オレだって分かんない)
「…し、したいとか、わかんないけど、あのままだったら多分…してた…」
すると噛み付くように降る唇。
「━…んぅっ!!」
(ご、獄寺くん!な、何もしないって、言ったのに…っ!!)
「ん、んん、は…ぁ」
激情のまま吸われ、貪られる。
不思議と嫌な感じはしなくて、でも苦しくてつい口を開けたら、ヌルリと舌が入ってきた。
「…!む、ぅっ!?」
目を見開く。
(やぁ、っだ――…)
絡まる舌の感触と流れる唾液が生々しい。卑猥な感触に比例して熱くなる身体の感覚が気持ち悪い。
「んぁ…っ」
(オレじゃなくなる。だって、こんな事するオレ、知らない、知らないもの)
「ふ」
獄寺の唇からも吐息が漏れる。絡めた舌のその熱すら惜しむようにチュ、と音を立てて離れる唇。
「…何にも、しないって、言ったの に」
はぁ、と濡れた息を吐く。
「…すんません。つい、理性がふっとんじまって」
切なげに呟く獄寺。
「あぁ…けど、10代目。貴方が好きで、好きで好きで泣けちまう…」
(泣けちまう、この人が、好きだ)
触れちまったら、最後。
知ってしまったら、最後。
(貴方が逃げても…)
追い掛ける。
綱吉も震えるように答えた。
「…うん、あのさ、オレ。君とのキス、いっ、嫌じゃなかった。…だから、君の事どんな風に思ってるか…ちゃんと考えるから、…と、取り敢えず離してくれる?」
「…10代目ぇ…っっ」
じーんっと目頭が熱くなりそっと離れるが、
「う…っ でも10代目、その姿ノーサツもんっス//」
正座して思わず鼻をバッと押さえる獄寺。
「Σ君がしたんじゃん!!もぉ!」
痛いっス〜なんて言いながら大人しくパカパカと殴られてた獄寺に、ふっと柔らかく笑んで綱吉は表情を変えた。
「…もう寝よ? 今度はな、何もしないって…守ってね?」
「想いが伝えられた、それだけで満足っス」
相好を崩す彼にクスリと微笑み、それでも頬が火照っていくツナ。
「だいたい…」
「? なんスか?」
(これ以上何かされたら、気持ちに気付く前にオレが夢見心地になっちゃうよ)
君のキスがあんまり気持ちいいから
━…天使も夢見る…
━━━
続きが読みたい、とありましたので甘えて書いちゃいました
なんてすいません!自己満足です(笑)
ありがとうございました♪