短編小説A

□『体育祭をしよう』
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(あ゙ーも゙ー恥ずかしッ!!//)
服に負けず劣らず真っ赤になって、音楽に合わせて他の女子と踊り始めるツナは、男とは思えないほど違和感なくその場に溶け込んで遜色なく、
どころかスラリと伸びた脚や腕のしなやかな姿態に、他のクラスメイトや男子も眼を奪われる有り様で。

「見るな━━ッ!!皆、見るんじゃねぇ!!10代目のこ、こ、こんな可愛いらしい姿!他の誰も見るんじゃね━━ッ!!」

「も━//!!獄寺くん黙っててってば!!君の大声がまた人目を引く原因なんだよっ!//」

ツナを隠すように目の前でがなりたてながらブンブン手を振る獄寺の姿もまた一種異様で。

「あははー、ツナぁ、その姿であと俺のリレー応援よろしくな♪」

(やーまーもーとーι)
「他人事だと思ってぇえ」

着たくない、と、哀願したが叶わなかったのだ。まこと女子のパワーは恐ろしいι

「せいッ!」
バッ、と型を決めて演舞する男子たちは見惚れるほどかっこ良いのに。

(うぅιホントならオレもあっち側だったのに〜)
何が悲しくてこんな格好!?
ヒラヒラするスカートは頼りなげだし。
女子は皆下にスコートなんか掃いてるけど。

「どへぇッ!10代目ヤバいっス!」
ヒラリと薄い布がめくれる度にいちいち獄寺くんがうるさいので、

「もうっ!!短パン掃いてるってば!!」
ピラリと捲って見せたら獄寺くんは、Σほげ━━っと驚声をあげてガクリと膝を落とした。

「うぅ…破壊力抜群です10代目…」

「Σぎゃ━━!!タンカ!!救急班!」
「ツナ動かすな!俺獄寺連れてくわ!」

ボタボタと流れる鼻血に周囲の様相もどんどんヒートアップしていく。

う〜ん10代目、悩まし過ぎですぅ〜、なんて言いながら、獄寺くんは山本に担がれズルズル保健室へ退場した。

「チィッ!!萌えで獄寺隼人の戦力をアップさせようとしたのに効きすぎたみたいね…っ
こうなったら…っ!!」

(黒川怖ェ━━!)
突っ込んだ瞬間、

ドンッ!!

「…え! は!? Σうわぁっ!??」

「行くのよ沢田!敵チームのボスを悩殺しておしまいなさい!!」

黒川に背中をドンッと押されて、トントントンっと敵チームの前まで押し出される。



「……ひ、ヒバリさん…ι」
目の前には学ランに身を包み、優雅に椅子に腰掛けている雲雀恭弥。

「…沢田綱吉」

「は、はいι」
(ひぃい、怖いよ〜)
ダラダラと汗が流れる。

すると、じっとこっちを見据えていた雲雀がギュウウ〜っと綱吉を抱き締めた。

「ぎゃ━━!なにすんですか!ヒバリさんっ!!」

「何って…『ナニ』でしょ? そっちの参謀とは話が付いてる」

バッ、と振り返れば黒川の悪どい笑み。
(黒川━━っ!?)

「そういうわけだから、この後の棒倒しは、僕は棄権するよ。じゃあね」

「え? ああああのちょっと!??」
ヒョイっと横抱きに担ぎ上げられて、スタスタと退場する雲雀さん。

「…煩い駄犬が嗅ぎ付ける前に、既成事実といこうか」

「ひぁ…っ///」
耳元に甘くボソリと囁くテノールに背筋がゾクゾクする。

「グッジョブ!!沢田!!」
グッと親指を立てる黒川。

「━━…っ//!体育祭なんて嫌いだぁあ!!」




後には綱吉の悲鳴が響いた。



 

━━━


10月中にアップ出来て良かった…っ"(ノ><)ノ
少し遅れましたが体育祭です本編でも日常ほのぼの見たいですねo(^-^)o♪

 
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