ツナ受け長編小説
□『修学旅行へ行こう!』
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並中の修学旅行は3泊4日と割りと長い。
初日から、全体行動→クラス別→班別→全体、となる。
行先は全体で京都・奈良へ行き、クラス別・班別はそれぞれにまかされる。
HRで班ごとに行く先を決めている時、不意に2ーAのドアが開いた。
途端ザワッとクラス中がざわめき、今度は波を打ったように静まりかえった。
「ヒッヒバリ―ッッ!?」
「…ヒバリさんっ!?」
「邪魔するよ」
ツカツカと綱吉の前まで足を運んで声をかけたのは、並中で最も恐れられている風紀委員の雲雀恭弥だ。
「僕、このクラスの修学旅行の監督生になったから」
「はっ!?ど、どーゆーことですか!?」
群れるのが嫌いなヒバリがわざわざ団体旅行に参加するなんて青天の霹靂である。しかも監督生!?聞いたことがない。
見構える獄寺と山本を外にヒバリは話を続けた。
「…不本意だけど、仕方ない。君が行くんじゃね。わざわざ狼の群れの中に放り出すようなこと出来ないし、それに━…」
本当の姿の君に会いたいからね。
言外にヒバリの眼がそう語っているようで、綱吉は冷や汗をかいた。
(…やっぱり見られてたんだ)
ツナは己の迂濶さを今更ながらに後悔するがもう遅い。
…話は昨日の日曜に遡る。