ツナ受け長編小説
□『混迷のエイプリルフール』
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取り敢えずパジャマの上に、春にしまったはずの厚めのダッフルコートを羽織って玄関に向かう。
何でこんな時に母さん居ないのさ!
あっ!リボーンのコーヒー豆を買いに行くって行ってたっけ?
つくづく手間のかかるヤツ!!
「おはようございます10代目!爽やかな朝ですね!」
「おーっす、ツナ!目ぇ覚めてたか?」
「お、おはよう、獄寺くん、山本。朝から元気だねι」
「…ん?どーしたんだ?コートなんて着て」
オレは慌てて言い訳を探す。え〜っと、え〜っと、
「…実はちょっと風邪引いたみたいで。だから遊びに行くのは無理だと思うんだ、…ごめんね?」
言外に『帰れ!』って言ってるのにこの二人ったら!!
「そりゃーいけないのな!おふくろさん居ないのか?俺が看病してやるよ!」
「なっ!!10代目のお世話は右腕たる俺の役目だ!テメーは引っ込んでろ!10代目、この獄寺隼人、貴方の為に何でも致す所存です!何なりとお申し付け下さい!」
Σってえぇ!?
しまった!逆効果〜!?
「いやあの、オレ1人で大丈夫だから!」
「遠慮する必要ないのな」
「そうっスよ10代目!今さら水くさい!」
言いながら二階へトタトタ昇る二人。
だからそうじゃなくてっ!
「あああああのね、ホントに━━…」
今思うと、言いつのるオレは足下を良く見てなかった。なんてこと!!
ズルッ
(はっ!しまった階段!?
踏み外し━…!?)
「っっツナ!」
「10代目!」
慌てた二人の手が伸びてオレを引っ張る。勢いで階上の踊り場にドタタタっともつれ込んで━…
「いったたたた…ι
あ…ありがとう獄寺くん、山本…」
二人がクッションになってくれたおかげで対してひどい怪我もないみたい。
助かったよってお礼を言うオレの下から、真っ赤な顔して見る二人……え?
今の勢いで元から貧相だった身体が更に華奢になったせいか、肩からパジャマが滑り落ちてたわけで━…!!
「っっわ━━っっ!!」
「ぎゃ━━━っっ///」
「どわ━━━っっ!?///」
その後三者三様の悲鳴が飛び交った。
もう!なんなのさ、この展開!!