ツナ受け長編小説
□『miracolo』
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嘘みたいだ!
多分リボーンに、また挑戦を仕掛けて反撃を食らっただろうランボを抱えて部屋に戻ったら、リボーンが『10年後のリボーン』になっていた!
どうやら原因は、やはり10年バズーカ。何だか少し曲がってるけど。
気を失ってるランボをクッションに寝かせて、オレはチラリと『彼』に目をやった。
年頃的にはオレより…2つ、3つ下位だよな?でも、やっぱなんか…
(迫力あるなぁ)
外身が赤ん坊のリボーンだってあの強さなのに、コイツには到底及ぶ訳がないんだろう。
しかも何!?
(格好良くない?)
相手は世界最強のヒットマンだ。背負ってるもんが違うのは分かるけど…空気だけじゃなく、見た目が格好いい!所謂、『美形』だ。
「…ナ、ツナ」
ヒバリさんとはまた違うタイプの美形だよなぁ、なんてボーっと浸ってたら声を掛けられてたのに気付かなかったらしい。
「話を聞け!ダメツナ」
耳を引っ張られた上ギリギリっと腕を絞められる。
「痛い!痛いってばリボーンっ!!」
やっぱコイツリボーンだ!隔たった時間の溝が、埋まっていくように二人の距離も近づいていく。
「どうやら10年バズーカが故障したらしい」
「え?」
ヒリヒリする手首を擦って聞き直した。
「え?バズーカが!?な、な、何で!?」
「こっちに来て5分以上経ってるが、戻る気配がねぇ」
フンっとバズーカとランボを睨む。そりゃあバズーカ自体が曲がってちゃあなぁ。
「仕方ない…もとに戻るまで厄介になるぞ。ママンには巧く言っといてくれ。俺は暫く寝る」
そう言うが早いかバサッとスーツを脱ぐと椅子に放り投げてオレのベッドに潜り込んだ。
「Σはぁ!?な、なんて言って説明すんのさ!!それにそこオレのベッド━…」
チャキっとこめかみに銃を当てられる。
「…五月蝿い。俺の眠りを妨げるな。風穴開けられてーか」
そりゃハンモックは無理だけど!!
(ってか相変わらず昼寝好きかよ!?)
オレはまた目の前の問題から逃げ出したくなる衝動を感じた。