ツナ受け長編小説
□『ブラインド ゲーム』
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「あー、やっぱり閉まっちまってますね」
正門と裏門と、ガタガタやって獄寺くんはチッと舌打ちした。
「やっぱりね…ι
8時回ってるもん。あんまりリボーンが捲し立てるから来てはみたけど…」
「こうなりゃダイナマイトで一発どかぁん、と…」
Σ物騒なこと言い出したよこの人ー!!
「わーっっ!獄寺くんストップストップ!」
実際両手にダイナマイト抱えて火を着けようとしたもんだからオレは慌てた。
「ちょっと待って!確かね…」
校舎の正面玄関に再び回って、側の植え込みの中をガサガサと漁る。
カモフラージュされた植え込みを退かせば…
「ほら、あった!
リボーンのやつ、校舎内へあんまり忍び込むもんだから、前に出入口を問い詰めといたんだ」
(あくまで出入口の『1つ』らしいけどねιはは)
ガコンって地面の隠し扉を開ければ、人一人が潜れるくらいのスペースに階段が奥へ続いている。
(う!怖い!おれ暗いのも狭いのもダメなんだよな…)
出入口で躊躇していると、獄寺くんがヒョイっと前に一歩踏み出して言った。
「流石リボーンさんスね! 俺先に行きますよ。10代目は後から付いて来て下さい」
安心させるような笑顔を向けられて、少しホッとする。
「うん、ありがとう。君が居てくれて良かった」
思わず本音が漏れた。うわわわっ///!
カァって赤くなった顔も、この暗闇じゃあきっと気付かれてないに違いない。
オレは。
(…少し感謝してるんだよ?リボーン。こうして獄寺くんと二人でいられること…)
いつも一緒にいるようで、実は二人きりなんて そうそうない。
はにかむような表情で前を歩く君。オレは後ろをついて歩きながら、暗闇にぼんやり、銀色の浮かび上がる背中を見て…
ズルッ!!
「Σぅわ!?」
魅とれて足を踏み外した。獄寺くんの背中にしがみつく。
「〜〜っご、ご、ご、ごめん!」
「だ、大丈夫です///」
(うわ〜!うわ〜!10代目ほっそ…///!)
「あ゙ー…、危ないですから10代目、手を繋ぎませんか?」
コホン、と、差し出された手を見てまた顔が火照る。
「…うん」
オレはその手に右手を添えて、安心とともに くすぐったいものを覚えた。