妄想小説 

□願いの代価 ラビリナ小説★完結
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「オレっすか?」
「お願い、ラビ!!アレン君きっと、さっきの駅で乗りそびれちゃったんだわ!!戻って探してきて!!」
リナリーは泣きだしそうな顔でギュゥッとオレの手を握った。
「ガキかあいつは…」
「行け」
無情にブックマンが蹴りを入れてくる。
「今ならお前の如意棒でひとっ飛びだろ」
「槌だよパンダ」
ブックマンのグググッと足に力が込められる。
「押すなボケ…」
「ね、お願いラビ…」
「いいけどさぁ…なぁんかやな予感すんなぁ……」
「ラビ……」
ラビの視線が小刻みに震えるリナリーの唇に注目した。
淡いピンクの唇…薄く開いた唇……

−−リナリー…そんなにアレンが心配なのかよ……

「リナリー…そんなにアレンが心配?」
「えっ!?」
リナリーが驚いたように聴き返した。
「ひょっとしてリナリーはアレンが好き…なんじゃない」
パァァァァッ−−−−っとリナリーの顔が赤くなった。
「ち、違う」
「違うわよ、アレン君は…」
「くだらんこと言っておらんで早く行け」
「なんだよパンダ…せかすなって」
「行くのはいいけどぉ…ちょっとリナリーいい?」
「ラビ!?」
「すぐ、終わるからさぁ〜」
ラビはリナリーの手を掴んで、列車の中に入った。
適当に窓から覗いて空いている個室にリナリーを連れ込んで、カチャッと鍵をかけた。
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