妄想小説 

□気づく瞬間 アレリナ★完結
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「う〜ん、もうちょっとなのに」
リナリーは一生懸命につま先で立ち、手を精一杯に伸ばした。
だけど、もう少しのところで手は届かない。
足元は、不安定な脚立……。
もう少し…
後…5ミリ…
手はかするのにほんの少しだけ手が届かないのだった。
誰かが通りかからないかと思ってみても、こういう時に限って通りかかる人がいない。
(なんでこういう時に現れないんだろう……)
いつもは本当に何気ないタイミングで現れてくれるのにな。


ーーあっ、届きそう


「リナリー!!」
「キャッ!!」
それは丁度、荷物に手がかかった瞬間……。
後ろからの呼びかけにリナリーは体勢を崩してしまった。
「危ない……」


ーードサッ、ドサドサドサッ……


「いったぁ……」
リナリーは荷物ごと床に転かってしまった。
幸い、そう高くない部分からの落下だったからか、痛みは少ない。
それに、床は痛くなかったし…。
「あ、アレン君!?」
リナリーの体の下にはアレンがいた。
上から落下してきたリナリーと荷物をアレンは全身で受け止める結果になったのだった。
「いたたたた……リナリー…大丈夫ですか?」
「アレン君こそ大丈夫?」
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