妄想小説 

□挑発 ラビリナ小説★完結
1ページ/8ページ

ーーコンコン…

(コムイ兄さんだわ!!)
小走りに扉に向かったリナリーは誰かを確認せずに、ガチャッと鍵を開け、飛びついた。
「お帰りなさい」
飛びついた瞬間、グラッと相手の体勢が崩れ、もたれかかってきた。
「コムイ兄さん!!!!」
しなだれかかってくる重い体をリナリーがようやく支えた時、男が顔を上げた。
「あっ!!!?」
リナリーは驚いて声を上げた。
飛びついた相手はコムイ兄さんではなかった。
教団に来た時から顔見知りのラビだった。
ラビも驚いたらしい。
一瞬、眼を凝らすようにしてリナリーを見て、ポリポリと頭を掻いた。
「わりぃ…なんか間違いさせ…」
「私こそ…ごめんなさい」
今の自分がピンクのフリルのついた寝巻きにカーディガンを羽織っただけの服装だったことに気づいたリナリーは慌ててラビから手を放した。
そして、そっとカーディガンを前に手繰り寄せた。
「あっ、コムイさんいないから…リナリーんとこいるんじゃないかって思ったけど…いない……すね」
「うん…もうそろそろ戻ってくるんじゃないかって思っているんだけど…もしかして急用?」
「んぁ……えっと…急用じゃないんさぁ」
「そうなんだ…」
「………じゃぁ…」
「……うん」
ラビはそういうと、リナリーに背を向け、扉に手をかけた。
「あのさ…リナリー…」
「えっ?何?」
「…………………」
「えっ?」
「いつもそうやってんの?」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ