Others
□水のようで
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ただ何もせずに毎日生きて行くと言うのは簡単らしい。
人の一生なんて本当にすぐ終わってしまうものだし人は創出と忘却を繰り返し行って生きて行くんだなと思っていた。
その上て一生の中で成せた事が美談として装飾されていくだけであって後は何も変わらない。
と彼女は悟りを開いたかのように話していた。
彼女は見た目は僕の年となんら変わりはしない。
と言っても僕は魔族で彼女は人間。
何十倍もの年の差はあって、そんな彼女がさも人生を悟ってさも何か絶望したように言うもののだがら僕としてはちょっと気に入らなかった。
普段、別の人間のそんな感情なら美味しいのだろうけど…。
たがだが16.7の人間の少女に何がわかると言うのだろうか。
おもしろくない
その感情で僕はつき放す様に言った。
「人間の貴方に何がわかると言うのです?」
「それじゃあ魔族のゼロスに何が分かるのかな?」
とまるで小馬鹿にされた様に言われた。
確かに分かりはしない。
彼女は人間に対して何に絶望して居るのかわからない。
何にそんな悲壮感を感じて居るのかも。
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