寓話

□神の少年〜来訪〜
1ページ/5ページ


ゆらゆらと揺れる

形のないものたち

そっと伸ばした手は

ほらまた

確かな虚空を掴むだけ



神の少年
〜来訪〜



しんと静まり返った居間で、
壁にかけてある古い時計を見て微笑んだ。

真夜中の12時。
日付が変わって、
今この瞬間に14歳になった。

14歳という響きには
少し特別なものを感じる。
13歳から比べると、
幾分も大人になってしまったような。
でも15歳から比べたら、
まだまだ子供でいられるような。

そんな自分勝手な定義を
頭の中で反芻して、
もう一度14歳になったという
喜びとときめきを噛み締めた。


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ