差し上げ物
□もう一度
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美しく彩るこの赤が散るとき
僕は、どう思うのだろうか?
心寒く思い、どうなってしまうだろうか
「なんでこうなってしまったのでしょうね」
一人、ぼやきながらこの風景を眺めていた。秋も終わり、多色に彩られた紅葉もつまらない色をに代わり、後は散っていくだけ。
短い、短い一生なのだ。
花も、草も、木も。
そして、人の一生も短かった。
好きだった、愛していた。
だが、所詮、魔族と人間は相容れぬ存在だった。
何にしても、あなたを苦しめるようなことはさせないと誓ったのに、なのに、唯一、僕たちには越えられないものがあった。
それは寿命――命の、時間の違い。
僕があなたを死なせないために、そう言ったのにあなたは最後まで言った
『人間としての生は捨てない』と
ねぇ、知っていますか?
僕はあなたがいなくなってから弱くなりました
こうしてあなたがいなくなってから枯れ落ちる葉にも心を痛めるようになりました
夢にまで思う
「もう一度、あなたに触れられるなら…そして…」
創りものの僕には魂なんてないのかもしれないが、生まれ変わったらあなたともう一度
黄昏に見た夢
もう一度
あなたに好きだと
伝えられるならば
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